[an error occurred while processing this directive] マシンの概要と Alpha プロセッサについて - DIGITAL Personal Workstation 500a/au

 

マシンの概要と Alpha プロセッサについて

 Alpha プロセッサは、1992 年に DEC により発売された Alpha AXP アーキテクチャに基づく真の 64bit CPU です。「真の」 というのも、他の多くの 64bit プロセッサが 32bit プロセッサから拡張されて開発された物ですが、Alpha の場合はそのようなことはなく一からフルに 64bit 設計となっているためです。

 Alpha の開発は 1988 年に始まりました。1992 年には先に述べた通り初の Alpha プロセッサ DECchip 21064 (EV4) 150MHz が発売されました。当時、まだ Intel Pentium プロセッサも存在せず、OS では Windows がバージョン 3.0 だった時代です。そのような時代に 150・200MHz という高クロックで動く CPU は他を圧倒していました。ギネスブックにも 「世界最速のシングルマイクロプロセッサ DECchip 21064 200MHz」 として掲載され、常に Alpha は世界最高の処理性能を提供しつづけてきました。現在、速度で世界 2 位・3 位のコンピュータも Alpha 搭載コンピュータです。(後述の EV68 1.25GHz を 4096 個使用したコンピュータ。2002 年 11 月 TOP500 Supercomputer Sites 発表のランキングより)

 Alpha AXP アーキテクチャの設計者たちは、少なくとも四半世紀 (25 年) は通用するアーキテクチャとして Alpha AXP アーキテクチャを設計しました (だからこそ 32bit ではなく 64bit になったわけです)。その意思は型番にも表れており、21064 の 21 には 「21 世紀」、64 には 「64bit」 の意味が込められています。なお、Alpha AXP アーキテクチャの AXP の意味については、こちらのサイトに記述があります。興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

 その後 1993 年には Alpha 用の Windows NT が発売され、Alpha をサポートする OS は DEC 謹製の DIGITAL UNIX (旧称 OSF/1、COMPAQ 買収後に Tru64 UNIX へ改称) と OpenVMS、Microsoft の Windows NT、さらに現在では Linux や 各種 BSD が存在します。Windows に関しては Alpha 用 Windows 2000 (NT 5.0) の開発もされていましたが、Alpha 用 NT 系 OS の開発・サポートは 1999 年で中止となってしまいました。したがって、Alpha 用 Windows 2000 は幻の OS となりました。

 話を Alpha CPU の歴史に戻しますと、1994 年には 21064A 275MHz、および第 2 世代の 21164 (EV5) 300MHz、1996 年に 21164A (EV56) 400/500MHz、1998 年に第 3 世代の 21264 (EV6) の発表・発売が行われています。21264A (EV67) を経て、現在では EV68 1.25GHz が搭載されたサーバー製品が HP (Hewlett-Packard) から発売されています。

 HP から・・・というのも、皆さんご存知でしょうが 1998 年に DEC は Compaq Computer に事実上吸収合弁され、Compaq はただのパソコンメーカーから IBM、HP に続き HPTC (High Performance Technical Computing) 分野から PDA まで、あらゆる分野のコンピュータを提供できる会社となりました。さらに 2001 年 9 月には HP が Compaq を吸収合弁することを発表し、2002 年 5 月には新生 HP が誕生しました。

 HP との合弁前の 2001 年 6 月には Compaq が 2004 年に Alpha の開発を中止し Intel の Itanium へ移行することを発表していましたが、新生 HP においてもその計画通りに 2004 年までに EV7、EV79 を開発して Alpha シリーズが打ち切られることが決定しています。なお、Alpha 搭載製品の販売は 2008 年まで続けられ、サポートも最低 5 年間は継続するとされています。また、HP との合弁によってワークステーション等への Alpha 搭載はなくなり HPTC 分野へフェーズ、Tru64 UNIX も HP-UX へ統合されることになりました。


 ・・・さて、そんな歴史を持った Alpha プロセッサを搭載するこの DIGITAL Personal Workstation 500a/au は名前の通り 21164A (EV56) 500MHz の Alpha を搭載しています。500a は 1997 年 6 月に Intel Pentium II 266MHz を搭載する Personal Workstation 266i・266i2 と同時に、Windows NT 向けのワークステーションとして発表・発売されました (日本国内の情報です)。定価は 222 万 8 千円。主な仕様は下記の通りです。我が家の 500a/au 君はほぼノーマル状態で、キャッシュはナシ。メモリだけは 384MB に増強されています。

CPU Alpha 21164A 500MHz
メインメモリ 標準 64MB / 最大 1.5GB
ECC DIMM 採用
キャッシュメモリ 1 次 : 16KB (オンチップ)
2 次 : 96KB (オンチップ)
3 次 : 0MB / 2MB / 4MB
HDD 4.3GB (SCSI)
CD-ROM 12 倍速 (E-IDE)
SCSI Ultra Wide SCSI (オンボード)
LAN 10/100BASE 対応
DECchip 採用

 さて、先ほども 500a/au と書いた通り、Personal Workstation には au シリーズというものも存在します。au シリーズは 433/500/600au が同時に 1997 年 7 月に発表され、433/500au は発表と同時に販売開始、600au は 9 月に販売が開始されました。500au の定価は 278 万 5 千円。a シリーズは Windows NT 対応となっていますが、au シリーズは UNIX 対応となっています。

 a シリーズと au シリーズではハード的な差はないと思われます (たぶん・・・)。では何が違うかというと、SRM コンソールが起動するか AlphaBIOS が起動するか、という点です。PC に置き換えて言えば UNIX 対応 BIOS が起動するか、NT 専用 BIOS が起動するかといった感じです。で、この SRM コンソールと AlphaBIOS は簡単に切り替えが可能です (切り替え不可能な機種や切り替えが大変な機種もあるようですが、Personal Workstation a/au では簡単に切り替えられます)。私が所有するのも a シリーズですが、問題なく Linux を SRM コンソールから起動させることが出来ます。なお、切り替え方法等は各 OS のインストールのページで紹介することにします。

 それでは、小難しい話はここまでにして、早速 OS を入れて 64bit の世界を体験させていただくことにしましょう (笑。

 なお、私が所有するマシンは DIGITAL Personal Workstation 500a の OEM 版、Panasonic PanaStation だったりします (^^;。基本的に Personal Workstation と変わりはないと思いますが、本物の Personal Workstation と比べたことが無いので、もしかしたら違いがあるかもしれないことをお断りしております。アァ、本物が欲しい・・・。本体の PanaStation のロゴを見るたびに、digital ロゴのシールを上から貼って隠してやりたくなります (禁。

2002/11/17 執筆

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